言葉をめぐる旅 plus CRT-D

じぶんの病気の付き合い方を考えるブログ

朝起きたら言葉を話せない [入院 #02]

言葉が話せないとはどういう事だろう。2014年の秋口、夜中、目が覚めた。寝返りを打とうとすると、なぜか体を動かすことができない。金縛りの状態だ。体を動かそうともだえ苦しんだが、どの位の間だろう、2、3分程度時間が経つと手足が動くようになり、ほっとしてすぐに眠ってしまった。( この時が脳梗塞の発症だったのだろう)朝起きて立ち上がり、部屋を出る。階段を降りるとき、耳鳴りが酷く、右手と右足が痺れていた。1階の居間で家族に「おはよう」と言えない。言葉が口から出ないのだ...。妻と子供も自分に話しかけても私から返答がない。パパは機嫌が悪いのだと怪訝そうな雰囲気だった。家族の言ってることやテレビが放送しているニュースで、アナウンサーが言ってることは理解できるが、自分自身が何か発言しようとすると、何を喋っていいのか単語も浮かばない。頭の中でこれを言おうとイメージして文を考えるのだがそのことに対し思考できない。心境はこうだ。言葉はどこに行ったのか。言いたいことが言葉にしてでない。口だけでなく文にして表現できない。パソコンに向かいネットの検索で「言葉がでない」というイメージを思考するが、「言葉がでない」という言葉を頭の中で文にできない。「言葉」という単語も思い浮かばない。何か入力しようとキーボードを叩こうとしたが、言葉をどう入力すればいいのか、アルファベットのローマ字日本語入力の方法がわからない。例えば、「言葉」のローマ字入力を「kotoba」と思考することができない。言葉を発するできず、どうしていいのか非常にうろたえ、椅子に座りながら自分の目を閉じた。