入院して1週間ほど経った。そろそろリハビリを行ったほうがいいと、担当医から言われる。病院のリハビリテーション科は理学療法がメインである。言葉のリバビリの専門スタッフはいないという。言葉に関しての専門的なリハビリできないが、基本的な言葉のリハビリはそこの科で行えるそうだ。病院の休日以外、毎日、数十分ほどリハビリテーション科に行くことになった。リハビリ室では、担当の先生の前で、口周りの筋肉を動かす運動や口内で舌を動かす運動をする。それが終わると、かなの五十音表を見ながら発声練習をする。テキストに書いてある絵を見て、その絵の名称を発声する。その絵の名称は思い浮かぶのだが、口ごもったり、ろれつが回らなかったりうまく発音できない場合がある。また、短い文章を朗読するのだが、文の途中で引っかかり、朗読するスピードも遅く、たどたどしくなるようだ。言葉のリハビリを頑張って回復したいと思う気持ち。もう一方、リハビリは非常に疲れるので、(頭がうまく回らない)これを続けなければいけないのかと暗くなる気持ち。時が経てば自分の言葉はどうなっていくのか全く予想もつかない。今の時点、私の言葉の状態では仕事に戻ることは到底難しい。時間をとって治療に当たるしかないのだ。