言葉をめぐる旅 plus CRT-D

じぶんの病気の付き合い方を考えるブログ

失語症 [入院 #21]

言語聴覚療法室は個室が複数あるようだ。個室の中で1対1でリハビリをするという。言語聴覚士に案内され言語聴覚療法室に入った。机の向こう側に療法士が座り、療法士と相対して私も椅子に座る。転院前の総合病院では、私の病名は脳梗塞であるとそう診断を受けた。脳梗塞には頭がダメージを受けた場所に応じて特定の症状があるようだ。私自身の場合は、言葉の不具合と体の右半身に少しの痺れが症状として出ている。入院中は、言葉のリハビリの中心の言語聴覚療法が施される。また、作業療法理学療法と合わせてのリハビリを受けるようだ。言語聴覚士に、この症状は「失語症です」と言われ、言葉の不具合の症状の病名をはっきりと知ることができた。これから言葉についてのテストを行い、今後のリハビリの方針を決めるとのことだ。転院の初日では、病院自体のルールが患者にとって厳しすぎるのではと思った。病棟のエリアを区切り、とりあえずは、病室、このフロアの廊下、トイレ、ナースステーションの前のデイルーム以外は出入り禁止という。脳梗塞の患者、その他の患者の配慮なのだろうか。病院の中に閉じ込められたという錯覚が起きたような気になって、少々頭を抱えた。患者に対するルールの規定は週一回の担当医の回診で決められるという。言葉が明確に言えないと、このリハビリ病院では、看護師に要望を伝えることはできない。失語症がどう回復していくのか、その先はまだ見えない。言葉が話せない失望感は、言葉のリハビリを覚悟をもって日々取り組むことで変わっていくのではと、そう思うしかなかった。