言葉をめぐる旅 plus CRT-D

じぶんの病気の付き合い方を考えるブログ

新聞を開くと [入院 #16]

朝食が終わり、処方された錠剤を服薬したら、病院の売店で新聞を買いに行く事が毎朝の習慣になっている。担当の内科医からは、こう聞かれる。新聞に書いていることが読み取れるか。ラジオを聞いて言ってることがわかるか。私自身読んだり、言っていることを理解しているつもりであるが、脳梗塞という病気がその能力を阻害しているようで、どこに引っかかりがあるのか、自分の頭の中を測ることは難しい。とにかくは新聞を読んで、どこまで文章を読み解くことができるのか、病室で新聞を毎日購読することにした。新聞を読むにあたって、気付いた点が幾つかある。読むスピードが普段より遅いのだ。文字を目で追う速度で文章を理解しながら読み進むことができなくなっているようだ。読みながら同時に理解することの思考速度が、脳梗塞になってから遅い。そして文章を読んでいると非常に頭の中が疲れてくる。病前と比較するとその時あった集中力が、脳梗塞後は減退している。また、文章を朗読することが難しい。新聞記事を朗読しようと、文章を口で音読するのだが、そこに書いてある単語を発音できなかったり、朗読の途中、言い方がたどたどしくなる。自分の意を口で伝えることもままならず、ましてや文章の音読も難しとなると、人と人とのコミュニケーションも不安にならざるを得ない。本当にその人に自分の言いたいことを伝えられるのか。言葉のリハビリにおいて、まず、自分自身の症状をしっかりと知ることがとても肝心であると思えるようになってきた。