言葉をめぐる旅 plus CRT-D

じぶんの病気の付き合い方を考えるブログ

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

病棟の廊下の窓、その場所。 [入院 #34]

病室を出ると、病棟の長い廊下の先にエレベーターホールがあり、その窓から下を見ると中庭が見える。ベンチ等はなく、そこでくつろぐ患者や、また、行き交う人も少ないようだ。どちらかというと寂れている場所という印象を受ける。エレベーターに乗って、病…

会話 [入院 #33]

年が開けて、病院で暮らす日々、病院のリハビリがもう当たり前の日常となっていた。入院生活が快適とは云い難いが、外の寒さも忘れるほど、院内では空調が効いている。一見、社会と離れたこの病院の空間を、空調は常春のような、暖かく、落ち着いた雰囲気で…

日々是リハビリ [入院 #32]

主治医が、今後の治療について面談したいという。その方針の話を聞くと、本人のためにも入院を持続させてリハビリ治療を続けた方がよいと進められた。失語症は回復するのかと聞きたい気持ちがあったが、それはいわゆるリハビリの効果次第という、病院の立場…

正月 [入院 #31]

大晦日をまたぎ、2015年元旦、病棟のデイルームの卓上で朝食を食べていた。元旦もリハビリを行い、病院で過ごすのかと思ったが、主治医から、2日の夜まで外泊許可がでた。家族が迎えに来た後、家に戻る予定だ。療法士から出るリハビリの課題が、その患者に…

要約 [入院 #30]

作業療法の時間で、こんなリハビリがあった。新聞の記事を読み、何が書いてあったのか、その内容を療法士に伝えるリハビリだ。だいたい1000字程度の記事を読み、その内容を覚えている限り、療法士に伝える。記憶の中の記事の内容が、幾つものポイントを頭の…

課題 [入院 #29]

リハビリ病院に入院してからの一日の流れは、こんな感じだ。起床6時。朝食が始まる時間までに、毎朝、7時前に病院の周辺を散歩し、病室で7時からのラジオのニュースを聴き、話の内容をノートにメモを取る。朝食は7時半。午前中のリハビリが終わると12時から…

ラジオ [入院 #28]

会議やミーティングなどでノートにメモを取ること。仕事をする上で全く意識せずできたことも、脳梗塞を発症した後は、そのメモを取るという行為が非常に難しくなっていた。失語症という病気は、人が言う話を聞き取りにくくしてしまう症状がでるようだ。言語…

喋ること [入院 #27]

2014年、脳梗塞を発症し失語症に陥った。リハビリ病院に入院してその年、もうクリスマスに差し掛かろうとしていた。師走という月は、普段なら予定が立て込み、矢継ぎ早に仕事をこなしていかねばならない時期である。病気で入院という状況で、リハビリに打ち…

言葉そのもの [入院 #26]

失語症を発症して、かなの五十音をそらで言えなくなった。毎日病室で、五十音表を見て文字を読み上げる。同室の患者に迷惑にならないよう小さい声を出す。私の頭の中の入っている文字の記憶は何処へいったのだろう。すべて忘れているわけではないが、記憶の…