言葉をめぐる旅 plus CRT-D

じぶんの病気の付き合い方を考えるブログ

会話 [入院 #33]

年が開けて、病院で暮らす日々、病院のリハビリがもう当たり前の日常となっていた。入院生活が快適とは云い難いが、外の寒さも忘れるほど、院内では空調が効いている。一見、社会と離れたこの病院の空間を、空調は常春のような、暖かく、落ち着いた雰囲気で包んでいるようだった。言語療法室で、リハビリを受けている時、療法士から言葉の調子が良くなったのではと声を掛けられた。確かに、言葉を考える時、リハビリ入院初期の頃よりも、頭に負荷がかからなくなってきたように感じている。言葉を話すことも、発言に引っ掛かりはあるが、病院内の人に、ある程度伝わるようになってきたなと思う。脳梗塞を発病した初期は、携帯でメールを打つのにも右往左往していたが、リハビリの課題での作文も、あの頃に比べれば、文章の作成も時間が掛からなくなってきたように思える。食事の時に同席だった、もうすでに退院した顔見知りの人に、病棟内のベンチの側で偶然出会った。二人でベンチに腰掛けて、その人と病気や近況の話をした。退院してからは、外来で言語聴覚療法を受けているようだ。その人が退院する前、私自身の失語症で、その人とほとんど話をすることができなかったが、今はなんとかその人と少し会話ができるようになってきた。どのようなリハビリをやっているんですかとその人に尋ねると、担当の療法士によっては、様々なリハビリがあることがわかり、患者の病状によって、治療法が違うんだなと感じた。これからリハビリということで、数分程度であるが、その人と会話できたことをうれしく思い、別れの挨拶をした。